今回は商業高校卒業生の私が、商業高校とはどんな高校なのか、実体験を交えながらまとめていきます。
この記事でわかることは次の通りとなっています。
- 商業高校とは
- 就職率と進路
- 男女比
- 部活
- 勉強内容(商業科目)
商業高校への進学を考えている方や、お子さんの進路に悩んでいるお母さん・お父さんに読んでいただきたい記事となっています。
商業高校とは
商業高校とは、普通科目を7割、商業科目を3割程度学ぶことができる高校です。
普通高校では学ぶことができない商業科目を学べることが大きな特徴となっています。
商業科目では、社会に出てから必要になるスキルやビジネスマナーを身につけることができ、資格の取得にも力を入れています。
就職率と進路は?
進路は、就職45%、進学55%ぐらいの割合となっています。
普通高校から就職する人は10%未満というデータもありますので、それと比べるとかなり高い就職率となっています。
というのも、商業高校は就職に力を入れていることを地元の中学校などにアピールしていることが多く、高卒ですぐに就職したいという人が集まりやすいため、就職率が高くなっています。
また、商業高校は地元企業と連携し、質のいい求人やより多くの求人を確保できている場合が多いので、就職希望者に人気があります。
進学の場合でも、商学系の大学やIT系の専門学校であれば、商業科目で学んだ内容を活かすことができます。
それ以外の進学先でも、推薦入試やAO入試の際に取得した資格を活かすことが可能です。
男女比は?
男女比は、4:6または3:7ぐらいで、女子のほうが多い傾向にあります。
理由としては、商業高校で学べる簿記や電卓の知識・技術を、将来的に経理職に活かしたいと考える女子が多い点があげられます。
特に、簿記系の資格は経理職への就職や転職で有利になります。
また、学校全体でみると女子のほうが多い傾向ではありますが、学科ごとにみると男子のほうが多い学科もあります。
実際に、私が在籍していた情報処理科は、6:4ぐらいの割合で男子のほうが多く在籍していました。
部活は?
基本的には普通高校と変わらず、運動部も文化部もあります。
そのほかに商業高校独自の部活として、簿記部や珠算部、ワープロ部や商業研究部などがあります。
これらの部活では、「全国商業高等学校協会(全商協会)」が主催する全国大会を目標に、知識や技術を磨くことが活動内容となっています。
以上が商業高校の概要になります。
それでは、具体的にどんな勉強をするのか次でまとめていきます。
商業高校の勉強内容
普通科目の勉強はみなさんご存知の通り、国語・数学・理科・地理歴史・保健体育などですが、商業科目ではなにを勉強するのでしょうか。
大きく分類すると、次の6つを勉強します。
- 商業の基礎
- 会計
- ビジネス情報
- ビジネス経済
- マーケティング
- 総合的な科目
それでは詳しい勉強内容について説明していきます。
①商業の基礎
商業科目の中でまず始めに勉強するのが商業の基礎で、科目はビジネス基礎になります。
商業を学ぶ目的や考え方の学習から始まり、業種の種類や役割、企業活動の基礎、売買に関する計算方法などについて学ぶことができます。
1年生の時に学ぶようになっており、3年間で学ぶ商業科目の全体像を把握することができます。
②会計
会計では、会社の商品とお金の流れ、それらを記録する方法について学びます。
科目は、簿記、原価計算、財務会計などになります。
商業高校といえば「簿記」と思い浮かべる人が多いと思いますが、簿記がわかればお金の流れがわかると言われているくらい重要な科目となっています。
簿記資格の種類やメリット、試験などについて詳しく知りたい方は、ねこたさん(@nekotaoffice)のこちらの記事を参考にしてみてください!
③ビジネス情報
ビジネス情報では、パソコン関係の知識や技術を学ぶことができます。
具体的には、会社で使われている「Excel」「Word」の使い方や、ハードウェア(パソコン本体等)の知識、ネットワークの技術、情報セキュリティ、プログラミングなどの学習となります。
科目は、ビジネス情報、情報処理、プログラミングなどです。
パソコン関係の知識や技術は現代社会で必要不可欠となっているので、ビジネス情報で学ぶ内容は社会に出てから大いに役立ちます。
④ビジネス経済
ビジネス経済では、経済のしくみや概念、用語を学ぶことができます。
科目には、ビジネス経済、経済活動と法などがあります。
経済は人々の生活と密接に関わっているので、今後の人生に活かすことができる内容となっています。
⑤マーケティング
マーケティングでは、消費者が商品購入に至るまでの行動や考え方、商品の開発工程、値段の決め方などについて学ぶことができます。
科目は、マーケティング、商品開発、広告と販売促進です。
学校によっては、企業の協力を得て、生徒が考えた商品を実際に販売しているところもあります。
⑥総合的な学習
商業科目で学んだことを活かして、企業活動を模擬学習したり、自分で決めた課題をより深く学習することなどができます。
科目は、総合実践、課題研究、ビジネス実務です。
私が卒業した商業高校では総合実践の科目があり、教室に、銀行・商社・運送会社などが模擬的に用意され、どのようにお金が動き経済が回っているのかを実際に体験しながら学習することができました。
その科目は、伝票の作成やパソコンの技術など、上記①~⑤の学習内容が総合的に求められるので、より社会に出てからの実践に近い学習となっています。
以上が商業科目の勉強内容となります。
どの内容も社会に出てから役立つ知識やスキルばかりです。
ちなみに、これらの学習の中で私が取得した資格については下の記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください!
まとめ
以上がまとめとなります。少しでも進路の参考になりましたら幸いです。
一つ注意点として、商業高校では商業科目を学べるという反面、普通科目の授業が少なくなってしまうというデメリットがあります。
そのため、高校卒業後の進路を見据えながら高校を選択するようにしましょう。
就職または商学系の大学やIT系の専門学校に進みたいのであれば商業高校はおすすめできますが、それ以外の進路を考えている方は、他の高校を検討してみるのもいいかもしれません。
将来のビジョンが決まっている方は、その実現により近付く高校を選択していただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。