今回は、最近購入した完全ワイヤレスイヤホン「Anker Soundcore Liberty Air 2」のレビューをしていきます。
そもそもイヤホンを購入しようと思ったきっかけは、通話する機会が増えてきたのでハンズフリーで快適に通話がしたいと思ったからです。
ハンズフリー通話ができるイヤホンはたくさんありますが、中でもこの製品には、「cVc8.0ノイズキャンセリング機能により、自分の音声をより大きくクリアに相手に伝えることが可能」という商品説明があったので、強くひかれました。
他にも、安心のAnker製品である点や、バッテリー持ちがいい点、見た目がスタイリッシュな点などに魅力を感じ購入を決意しました。
ですが実際に使ってみると、良い点だけでなくイメージと異なる点もいくつかありましたので、思ったことをそのまま書いていきたいと思います。
Anker Soundcore Liberty Air 2 のレビュー
全体的なレビューとしては、おおむね満足といったところです。
大満足に至らなかった理由は、cVc8.0ノイズキャンセリング機能の効果がイメージより弱く感じたからです。
その点については、周囲の音を「イヤホンのマイク」と「iPhoneのマイク」で同じ時間に録音した音声を載せているので、実際に聴き比べていただけたらと思います。
それ以外については、イメージしていたより良かった点もたくさんありますので、次の順番でレビューしていきます。
- cVc8.0ノイズキャンセリング機能
- 音質
- バッテリー持ち
- Bluetooth接続
- その他
①:cVc8.0ノイズキャンセリング機能
先程お伝えしたとおり、この機能の効果はイメージより弱く感じました。
イメージとしては、Amazon商品ページのビデオ(25秒~30秒あたり)で紹介されているぐらいの効果を想像していました。
ビデオでは、「周囲が騒がしい電車内からの通話でも、このマイクなら音声が相手にクリアに伝わる」ということを、男性と女性が実際に通話しているような感じで紹介されています。
このビデオを見ると、周囲の音がほとんどないぐらいに抑えられているので、cVc8.0ノイズキャンセリング機能の効果はかなり強いんだなと思ってしまいます。
ですが実際に使用してみると、ビデオで紹介しているほどの効果は確認できませんでした。
このイヤホンを使用して友人と通話してみましたが、あまりいつもと変わらないとの評価でした。
また、個人的に効果を検証してみましたが、効果が強いとまではいえない結果となりました。
その検証とは、「イヤホンのマイク」と「iPhoneのマイク」を使用して、自分の声を同じ時間に同じ場所で録音してみるというものです。検証場所としては、自宅がちょうど車通りの激しい道路に面しているので、自宅を選びました。
次の2つが実際に検証で録音した音声なので、聴き比べてみてください。
いかがだったでしょうか。
イヤホンのマイクで録音した音声のほうが少し車の走行音を抑えられてはいますが、まだ全然聞こえる程度です。
そして次のGIF画像は、それぞれの音声の波形を交互に表示させたものです。
大きな5つの波形が「私の声」の部分を、それ以外の波形が「周囲の音」を表しています。
ちなみに、波形の上下の振幅が大きいほうが音が大きいということになります。
注目して欲しいのは、「周囲の音」の部分です。
イヤホンのマイクのほうが、波形の振幅が小さくなっていることがわかります。
これはイヤホンのマイクのほうが周囲の音の取り込みを抑えられているということになるので、cVc8.0ノイズキャンセリング機能はしっかりと動作しているといえます。
ですが、波形で見ても周囲の音を多少取り込んでしまっていることがわかります。
以上の検証結果からいえることは、「cVc8.0ノイズキャンセリング機能はしっかりと動作しているが、ビデオで紹介しているほどの効果は期待しないほうがよい」ということです。
周囲が騒がしい状況でも「自分の音声をとてもクリアに相手に伝えたい」という方にはおすすめできない製品ですが、「自分の音声が少しでもクリアに相手に伝わればいいかな」という方にはおすすめできる製品です。
②:音質
音質については、可もなく不可もなくといったところです。
個人的には、3~5千円ぐらいのイヤホンと比べてもあまり大差はないように感じます。
この製品の上位モデルがでていることからもお察しください。
ただし、耳の穴の奥まで入れて使用する「カナル型イヤホン」ということで、遮音性は高くなっています。そのため、周りの騒音などを遮ることができ音楽への没入感が高まります。
また、専用のアプリからイコライザー設定を自由にカスタマイズできるので、自分好みの音に調節することもできます。
音質に強いこだわりがなければ、充分満足できます。
③:バッテリー持ち
バッテリーの持ちは非常によく満足しています。
私は1日3時間程度このイヤホンを使用していますが、充電ケースの充電は週に1回ぐらいで間に合っています。
イヤホン単体でみても、5~6時間の連続使用にも耐えられたことがあるので、とても優秀です。
スペック上はイヤホン単体でも7時間以上バッテリーが持つとのことなので、通話やテレビ会議などで連続使用する方にも十分なバッテリー持ちとなっています。
④:Bluetooth接続
イヤホンは充電ケースから取り出しただけで電源が入り、Bluetooth接続が始まります。
登録済み機器とのBluetooth接続は、イヤホンを取り出してから7秒前後で完了します。
秒数だけ見るとそこそこ時間がかかるように思いますが、イヤホンを取り出してから耳に装着するまで3秒ほどかかるので、耳に装着してからの待ち時間はあまりありません。
なにより気に入ってるポイントは、左右のイヤホンがほぼ同時に接続されることです。
今までのイヤホンは、片方だけ接続がうまくいかないことが多く非常にわずらわしかったのですが、このイヤホンで同じような現象はまだありません。
Bluetooth接続に関して特に不満な点はありません。
⑤:その他
その他に良かったことは、こんな感じです。
- イヤホンだけでさまざまな操作ができる。
- 付属品が充実している。
- 製品保証期間が18か月以上もある。
- 見た目がシンプルでかっこいい。
- 充電ケースがコンパクト。
レビューは以上となりますが、より詳しく知りたい方のためにスペックや内容物についてまとめていきます。
買う前におさえておきたい注意点や、イヤホンでできる操作などが知りたい方はぜひご覧ください。
スペック
スペックは次の表のとおりとなっています。重要な項目については解説していきます。
重量 | 約 53 g |
製品サイズ | 約 5 x 5.6 x 2.5 cm(縦 x 横 x 厚み) |
防水規格 | IPX5 |
通信方式 | Bluetooth 5.0 |
Bluetoothプロファイル | A2DP / AVRCP / HFP |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX |
周波数応答 | 20 Hz – 20 kHz |
ドライバーサイズ | 6 mm |
ノイズキャンセル | cVc8.0ノイズキャンセリング |
イヤホン操作 | 可能(タッチパッド) |
ワイヤレス充電 | 対応 |
HearID | 搭載 |
再生可能時間 | 最大 7 時間(イヤホン本体のみ) |
最大 28 時間(充電ケース使用時) | |
充電端子 | USB Type-C |
充電時間(イヤホン) | 約 1.5 時間 |
充電時間 (充電ケース) |
約 2 時間 ※USBケーブル使用時 |
約 3.5 時間 ※ワイヤレス充電器使用時 |
防水規格
IPX5は、“あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)”と定義されています。
そのため、少し雨が降っている時や運動時の使用などは問題なさそうですが、雨が強い時やお風呂などでの使用は控えたほうがいいでしょう。
通信方式
Bluetooth 5.0規格を採用しています。
「Bluetooth 5.0」を「Bluetooth 4.0」と比較すると、通信速度が2倍、通信範囲が4倍、通信容量は8倍になっています。
音質に大きな違いはありませんが、イヤホンと端末が離れていても音が途切れづらいという特徴があります。
本製品の場合、通信範囲は10mとされているので、その範囲内であれば端末との距離が離れていても快適に音楽を楽しむことができます。
Bluetoothプロファイル
A2DP / AVRCP / HFP に対応しています。
Bluetoothプロファイルとは、異なるBluetooth機器同士でも通信ができるように、扱うデータの種類や用途に応じて標準化された規格のことです。
両方のBluetooth機器が対応しているBluetoothプロファイルについては通信が可能となりますが、片方でも対応していないBluetoothプロファイルについては通信することができません。
そのため、このイヤホンを使用する場合は、使用する端末が上記のBluetoothプロファイルに対応しているか事前に確認する必要があります。
比較的新しい端末であれば上記のBluetoothプロファイルに対応していることがほとんどですが、念のため確認しておくのが無難でしょう。
ちなみに各Bluetoothプロファイルについて簡単に説明すると、「A2DP」は高音質で音楽を聴くために必要なプロファイルで、「AVRCP」は再生・停止などのリモコン操作をするために必要なプロファイル、「HFP」はハンズフリー通話に必要なプロファイルとなっています。
対応コーデック
SBC / AAC / aptX に対応しています。
コーデックとは、Bluetoothで音声を伝送するときの圧縮方式のことです。
通常の音声データのままだとデータ容量が大きいため、コーデックで圧縮する必要があります。
SBCはBluetooth機器が標準で使用するコーデックのため、「デバイスがBluetoothに対応していればSBCも対応している」と思って大丈夫です。
AACは主にiPhoneなどのApple製品で使用されているコーデックで、SBCと比べると高音質です。
aptXは主にAndroidで使用されているコーデックで、こちらもSBCと比べると高音質です。
コーデックの種類については、両デバイスと相性が良いものを端末側が自動で選択してくれるようになっています。
周波数応答
20 Hz ~ 20 kHz までの周波数の音が再生が可能です。
周波数は、数値が低いほど低音、数値が高いほど高音となります。
よってこのイヤホンの場合、低音は20Hzから再生が可能で、高音は20kHzまでが再生可能ということになります。
この数値はイヤホンの中では一般的なので、可もなく不可もなくといったところです。
ドライバーサイズ
ドライバーサイズは 6mm で、耳の穴の奥まで入れて使用する「カナル型イヤホン」の中では一般的なサイズとなっています。
ドライバーは電気信号を音に変換する部分のことをいい、サイズが大きいほど音質が良くなるとされています。
本製品の上位グレードである、Soundcore Liberty Air 2 Pro(ドライバーサイズ11mm)やSoundcore Liberty 2(ドライバーサイズ10mm)と比べると若干小さくは感じてしまいますが、小さい=音質が悪いというわけではないので、そこまで考えなくてもいい要素だと思っています。
ノイズキャンセル
cVc8.0ノイズキャンセリングを搭載しています。
これにより、マイクが周囲のノイズを除去し、自分の音声をより大きくクリアに相手に伝えることが可能とされています。(実際の効果についてはレビューにてお伝えしたとおりです。)
くれぐれも注意しなくてはならない点が、音楽を聴くときに周囲のノイズを除去してくれる機能ではないということです。
ノイズキャンセルにも様々な種類があり、あくまでcVc8.0ノイズキャンセリングは通話をする時に周囲のノイズを相手に伝えないようにする機能となっています。
ノイズキャンセルの種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
イヤホン操作
左右それぞれのイヤホンにタッチパッドが搭載されており、そこに触れることで様々な操作を行うことができます。
タッチパッドはイヤホンの外側(ロゴ部分)に搭載されているので、イヤホンを使用中でも簡単に触れることができます。
タッチパッドに触れて操作できることは次のとおりです。
- 再生 / 一時停止
- 次へ / 戻る
- 音量を大きくする / 小さくする
- 着信に応答する / 通話を終了する
- 着信を拒否する
- 音声アシスタントを起動する
これらの操作は、「左右どちらのイヤホンをタップするか」や「タップの回数」などによって、アプリ上で自由に割り当てることができます。
アプリ名は「Soundcore」で、App StoreとGoogle Playからダウンロードすることができます。
詳細についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
HearID
HearIDとは、自分に合うように音を最適化してくれる機能のことです。
「Soundcore」というアプリを使用することで、自分が聞き取りやすい周波数と聞き取りにくい周波数を測定することができ、その結果をもとに音を最適化することができます。
詳しい機能や設定方法については、こちらの記事を参考にしてみてください。
内容物の紹介
内容物は次のとおりです。
- イヤホン
- 充電ケース
- USB Type-C ケーブル
- イヤーチップ7種類
- クイックスタートガイド
- 製品保証カスタマーサポートの冊子
それぞれ実際の画像と一緒に簡単な説明をしていきます。
パッケージ
中堅クラスの価格帯なだけあって、そこそこ高級感のあるパッケージです。
マグネットで閉じられている箱を開けると、イヤホンと充電ケースがきれいに梱包されています。
充電ケースとイヤホン
充電ケースはマットな質感でかっこいい仕上がりとなっています。
イヤホンは黒くシャープな形にワンポイントで赤色が使われており、とてもスタイリッシュです。
イヤホンのロゴ「d」部分はタッチパッドとなっています。
イヤーチップを外したイヤホンの画像です。LとRは目立たない内側に印字されています。
ケースの中はこのようになっています。
ケースの開閉やイヤホンの着脱はマグネット式となっているので、とても簡単です。
イヤホンは、Lを左側に、Rを右側にセットしてケースを閉めることで、自動的に電源がオフになり充電が始まります。反対に、ケースを開けると両方のイヤホンの電源が自動的にオンになります。
ケースの底面には USB Type-C 充電ポートと丸いボタンがあります。
この丸いボタンを押すとケース正面のLEDライトが光り、点灯数によってケース本体の電池残量を確認することができます。
その他にも、他のBluetooth機器とペアリングする時や、イヤホンをリセットする時にもこの丸いボタンを使用します。
その他付属品
充電ケースとイヤホンの下には、USB Type-C ケーブル、クイックスタートガイド、製品保証カスタマーサポートの冊子、イヤーチップが入っています。
イヤーチップは XS / S / S+ / M+ / L / XL の6種類がびっしり並べられており、イヤホン本体に取り付け済みのMサイズを合わせると、全部で7種類となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
最後に、この製品はどんな方におすすめなのかまとめておきます。
- 通話時の自分の音声を少しでもクリアにしたい
- 音質に強いこだわりはない
- 使用する時間が長い
- 安心できる製品がいい
この条件に合う方には、自信をもっておすすめできる製品となっています。
逆に条件に合わない方は、他シリーズのイヤホンまたは他社のイヤホンを検討してみるのもいいかもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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